立ち食いそばチェーンの「名代富士そば」にシンガポールでお馴染みの「ラクサそば」が登場すると知り、3月16日の提供開始初日に食べに行ってきました。
「ラクサ」とは、シンガポールで親しまれている汁ビーフン。太麺のビーフンを海老や魚ベースの出汁にココナッツミルクを入れて仕上げたスープでいただくお料理です。具として、ゆで卵、海老、さつま揚げ、パクチー、もやしなどが乗り、甘辛いスパイシーなスープが特徴。ビーフンというと、日本では極細麺が一般的ですが、細めのうどん位の太さのもっちり麺が使われています。そして、スープには、お好みでサンバル(辛みと酸味の調味料)を加えて味を調整しながらいただきます。
会社帰りに在宅勤務中の夫と待ち合わせて、近所の「富士そば」へ。
店頭には「ラクサそば」(680円)の大きな看板が出ています。日本シンガポール国交関係樹立55周年キャンペーンとして開始されたものとこと。50,000食限定の文字を見つけると「早く食べないと」という気持ちになります(笑)
店内の自動販売機で食券を購入して注文です。「ラクサそば」は680円。富士そばのお蕎麦メニューの中では抜きん出た価格帯。豪華な「肉玉海老そば」(620円)を上回るお値段です。
カウンターに食券を渡し、テーブルをアルコール消毒しながら、出来上がるのを待ちます。
ほどなく、出来上がりの声があがり、お待ちかねのラクサとご対面です。そばをテーブルに運ぶ途中、スープからカレー風味が上がってきました。具材は、むきえび、カニカマ、蒸し鶏、厚揚げ、パクチー、ゆで卵と盛りだくさん、見た目はシンガポールのラクサに近いもの。
手前に見える赤いソースが「サンバルソース」。カウンターでラクサを受け取る時に、好みの分量を掛けることができます。スタッフからは「とても辛い調味料なので、ほんの少しで大丈夫ですよ」と丁寧に説明がありました。現地の「サンバルソース」はまさに、わずかで結構な辛みですので、辛いものが苦手な方は、かける分量に注意が必要です。
早速、いただいてみると、最初にカレーの風味を強く感じる「カレーそば?」という印象のスープ、その後、ココナッツミルクの濃厚さが感じられました。現地のラクサに比べると、少し薄めのさっぱり系、サンバルを入れないと全く辛みがないので、非常に食べやすい味に仕上がっています。
そばとの相性はなかなか、そばにラクサスープ、この組み合わせもありかなと思いました。
良かったのは、パクチーが生であったこと。現地でも乾燥パクチーを使うケースが多いので、生でよりパクチーらしさを味わえるのはいいかなと。一方で、スープの濃厚さやパンチという点では物足りなく、非常に淡白、スープに浮かぶ脂の少なさを見ても伝わるかと思うさっぱり系です。
これをもって、ラクサというかどうかは非常に微妙ですが、ラクサらしさを良く出しているとは思います。そばに合わせること、日本人の味覚に合わせることを考えるとこの味に落ち着いたのかなと思いました。
器はこのキャンペーンのために新調されたもの。シンガポールの『バティック』という蠟纈(ろうけつ)染めに使われる伝統的な花柄があしらわれ、「日本・シンガポール外交関係樹立55周年記念」の文字も入っています。
昨年の「肉骨茶そば」に続くシンガポールのローカルフード、シンガポールとのつながりがあるのでしょうか。
もう反対側には、富士そばのロゴマークに桜が描かれ、シンガポールと日本を象徴する図柄の器が使われていました。あまりの美しさに、思わず欲しくなってしまう器、ラクサの美味しさを引き立てていると思いました。
販売期間の明示がありませんが、限定食数50,000食のようですので、試したい方は早めの来店をお勧めします。
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