ガイドブックを読んでいた夫が興味を持ち、「香港歴史博物館」へ行ってみました。香港渡航回数は優に30回を超えていますが、訪問したのは初めてです。
九龍半島の尖沙咀漆咸道南にあります。彌敦道の繁華街から歩いても10分ほどの場所です。
もともと「香港博物美術館」として開館、その後、名前や場所を変えて、現在の名前、場所になったのは、1998年7月、香港返還の後のことです。
入場料は10ドル(150円)。気軽に楽しめるお値段です。
常設展示は「香港故事」と呼ばれる香港の歴史を振り返るもの。香港の自然環境の紹介の後、新石器時代、漢から清王朝の時代と歴史をたどる展示が続き、民俗の紹介のほか、アヘン戦争、香港割譲、日本占領、そして、現在の香港発展までの経済成長の過程が実物を中心とした展示で紹介されています。
職人が作った帆掛け船の実物、水上生活者が使う船です。香港観光協会のマークにもなっている香港を象徴するもの。水上生活の様子が垣間見られました。
蝦醤の製法の紹介です。
古典劇である粤劇を演じる劇場が再現されています。
本地人の生活の紹介。
食卓の様子です。
香港の開港とその後の発展のエリアです。先に進んでいくと、当時の商店街が再現されています。
当時にタイムスリップして、商店街の中を歩いているような感じがします。
こちらは「押」=質屋さんです。
こちらはお茶屋さん。
お店の内部が再現されています。壁に並ぶのは、各産地のお茶。
ケースの中にもお茶が入っています。当時も今も、茶葉を指定して量り売りで購入するのですね。
ここは薬局ですね。
銀行の窓口は、高いカウンターで囲まれています。
食料品店です。米や醤油を扱っているお店です。
再現エリアにはトラムの実物まで。木の床のレトロな車両。初めて香港に来た時には、このタイプのトラムがまだ現役でした。
最後は香港で作られる産品の紹介です。レトロな水筒たち。
40-50年前のデザインでしょうか。
昔っぽい広告は見ているだけでも楽しいもの。
写真を撮影していないエリアも多数あり、相当見ごたえのある展示でした。半日くらいゆっくり見学しても面白い博物館、内容の充実度に来てみて驚きました。
見学の後は・・・歩き回って疲れてしまったので、お茶で休憩するため、メインロビー奥にある喫茶店に行ってみました。
■ 香城茶室
博物館の1階には、カフェが併設されています。こちらも古き良き香港を彷彿させる内装、凝っています。
いわゆる喫茶店メニューが揃ったカフェ、飲み物のほか、軽食類のオーダーができます。
店内はレトロな雰囲気。什器も年代物かなと思います。
このボックス席に座りました。
香港ミルクティ、コーヒー、鴛鴦茶など、香港喫茶店の典型的なメニューが揃っています。先ほどのカウンターで注文、支払いをしてから席に座ります。
支払を済ませると、番号札が渡されます。テーブルに座って待っていると、注文したものが運ばれてくるというスタイルです。
しばし待っていると・・・
香港ミルクティが運ばれ来てました。とても濃く入れた紅茶にエバミルクが入った濃厚なお味のミルクティ。甘くして楽しむもよし、エバミルクのミルク分を満喫するもよし。独特の香りがしますが、この香りをかぐと、香港に来ている気持ちになります。
見ごたえのある展示に、想定以上の長い滞在となってしまいましたが、カフェで濃厚なミルクティをいただくと少し疲れが取れたような気がします。街中の喫茶店よりも静かでゆったり過ごせるので、狙い目かもしれません。
何度も香港に来ていましたが、こんなにしっかりした施設があることを初めて知りました。香港の発展の歴史を展示を順にみていくだけで学べる・・・興味を持った展示が多く勉強になりました。
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