シドニーから車で約2時間、都市の喧騒を離れると、そこには広大な自然が広がる「ブルーマウンテンズ国立公園」があります。世界遺産にも登録されたこのエリアは、訪れる人々を圧倒する“絶景”の宝庫、ブルーマウンテンズでみられる絶景と、滞在中に出かけた絶景ポイントを紹介します。
ブルーマウンテンズの絶景とは?
空と大地が溶け合う「青い山脈」
ブルーマウンテンズという名前の由来をご存じでしょうか?
山脈を覆うユーカリの木々から揮発するオイルが空気中に拡散し、太陽の光と反応することで、山全体が青く霞んで見える現象から名づけられています。遠くから眺めるその光景は、まるで青いベールをまとった幻想的な世界。広がる山並みと青く染まる空とのコントラストは、ここでしか出会えない大自然のアートです。
深く切り立った渓谷と断崖絶壁
ブルーマウンテンズでは、何百万年もの歳月をかけて大自然が作り上げた壮大な渓谷が出迎えてくれます。切り立った断崖絶壁の下には深い森が広がり、足元まで続くかのような深さに息を呑む瞬間も。国立公園内にある展望台からは、ダイナミックな地形を一望できます。
メジャーポイント以外でも鑑賞できるスポットが多数
ブルーマウンテンズ国立公園には、「スリーシスターズ」がある「エコーポイント」のような有名な展望台がある一方で、静かに大自然の絶景を楽しめる“隠れたスポット”も存在します。
観光客で賑わうメジャーポイントとは違い、落ち着いた雰囲気の中でブルーマウンテンズの雄大な景色を堪能できる「オリンピックロック」と「エバンスルックアウト」の2か所を紹介します。
穴場の展望台「オリンピックロック」ここでしか味わえない、静寂と雄大な渓谷の景色
ブルーマウンテンズの人気エリア・ルーラから少し歩いた場所にある「オリンピックロック」。知る人ぞ知る展望台で、すぐ近くにある「エコーポイント」などメインの展望台とは違い、比較的訪れる人が少なく、静かな時間を過ごせるのが魅力です。
ルーラの中心部から南に向かった先にあります。
展望台は住宅地の中にあります。目印はこの小さい案内看板のみ。
この道を進んだ奥に展望台につながる短いトレイルがあります。
展望台はトレイルを少し下った位置にあります。
展望台を訪れる観光客が少ないのか、私たちが到着した時にはほかに誰もいない状況。案内標識も小さく、人もいないので「この通路は人様の家の敷地では?間違っていない?」と不安になりましたが、展望台までの地図が設置されているのを見つけて安心しました。
周辺には渓谷沿いにトレイルが多数ありますが、閉鎖中のトレイルもありますので、最新情報の確認が必要。この時期も、トレイルの中で赤いルートは閉鎖中でした。
展望台へのトレイルは階段が整備されているので、特別な装備は不要。歩きやすい靴があれば大丈夫です。階段を下りていくと・・・
目の前にブルマウンテンズの渓谷が見えてきました。展望台には先客が2人だけ。とても静かです。
目の前に広がるのは、ブルーマウンテンズの象徴ともいえるジャムソンバレー。180度続く絶壁と渓谷はそのスケールの大きさに圧倒されます。
ジャムソンバレーは、約12キロメートル以上にわたって広がる巨大なU字型の谷、ブルーマウンテンズを代表するランドスケープのひとつ。深い渓谷とその周りに広がる断崖絶壁、ユーカリの森林に覆われた谷底が特徴的です。
森の中はうっすら青みがかって見えます。時間帯により太陽の向きが変わるので、いろいろな渓谷の景色が見られます。谷間に沈む夕陽や、朝霧に包まれる山々を、まるで自分だけの特等席で眺めているかのような、贅沢な体験ができる場所です。
眺望と静けさを兼ね備えた「エバンスルックアウト」でサンライズ
もうひとつのおすすめが、ブルーマウンテンズのブラックヒースエリアにある「エバンスルックアウト(Evans Lookout)」です。
ここからは「グロースバレー(Grose Valley)」と呼ばれる広大な渓谷を一望でき、切り立った断崖や遠くに続く原生林のパノラマが目の前に広がります。
宿泊していたChalets at Blackheath(シャレー・アット・ブラックヒース)からは歩いて10分ほどと朝晩の散策にちょうど良い距離感の場所、夕方のほか、毎朝日の出の時間を狙って出かけていました。
ルックアウトには大きめの駐車場がありますので、車でのアクセスも可能。
周辺のトレイルは舗装され、車いすでも行けるようスロープまで整備されていました。
周辺のトレイルの案内看板も設置されています。
このエバンスルックアウトは、いくつものトレイルコースの出発点としても知られています。特に有名なのが、渓谷の中を歩く「グランドキャニオンウォーク」。渓谷底のシダに覆われた森や小川沿いを歩くトレイルで、アップダウンも適度にあり、自然の息吹を肌で感じられるコースです。
他にも「ロドリグスパス」など、エバンスルックアウトから始まる複数のトレイルが整備されており、ハイキング好きにはたまらないエリアです。
トレイルの入口他ルート沿いには看板が出ていますので、安心して利用できます。
整備されたトレイルを歩いて展望スポットへ。
日の出の時間、周囲は赤く染まり幻想的な渓谷の風景が広がっていました。谷底には深い霧が立ち込め、雲海のように見えます。
渓谷の向こうから太陽が顔をのぞかせました。
朝焼けに包まれたグロースバレーは、まるで絵画のように美しいもの、光と影が美しく交差し、幻想的な風景をひとしきり鑑賞。
観光客の多い展望台とは異なり、自然と自分だけの静かな時間を過ごせる場所、時間がゆっくり流れる贅沢な空間を味わえました。
最後に
「オリンピックロック」も「エバンスルックアウト」も、ブルーマウンテンズの雄大な自然を、喧騒から離れてじっくりと味わえる絶景スポット。「人混みを避けたい」「静かに自然を楽しみたい」という方にはぴったりの場所。
ブルーマウンテンズを訪れる際は、ぜひ有名どころだけでなく、こうした穴場スポットにも足を伸ばしてみるのがおすすめ。日帰りではなく、滞在していたからこそ出会えた風景でした。
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