鮎と夏野菜を楽しむ 文月「花鳥懐石」庭の緑が美しい初夏がおススメ~燈々庵(あきる野)

ランチ

久しぶりに季節感のあるお料理が楽しめる懐石料理店「燈々庵」へ出かけました。

あきる野の美しい自然に囲まれた「燈々庵」は、季節ごとの旬の素材を贅沢に使い、心を込めて作られる料理が楽しめるお店、我が家のお気に入りのお店のひとつ、これまで家族の集まりで何度か利用させてもらっています。

「燈々庵」の献立は月替わり、四季折々の素材を活かした品々で構成されています。春には桜の花が散りばめられた美しい前菜、夏には爽やかな味わいの冷製料理、秋には旬の茸や魚介をふんだんに使った逸品、冬には心温まるお鍋や煮物などがあり、毎回訪れるたびに、新しい発見があり、食材の変化を楽しむことができます。

旧家の邸宅敷地内の土蔵を改装したお店、木々に囲まれた中にあります。

木々の中の小径を抜けてお店に入ります。

懐石料理のコース料理のみ、お値段の違いにより3種類のコースがありますが、希望の予算に応じてお料理の組み立てもしてもらえます。一番お手頃な「花鳥」は7,700円、このコースはランチタイム限定です。

この日は庭を見下ろせる2階のテーブル席に案内されました。窓からの景色は、額縁の中の絵画のようです。

いただいたのは「花鳥懐石」7,700円、お品書きが用意されています。お料理が運ばれる都度スタッフさんから丁寧なお料理の説明がありますが、これが手元にあると、振り返りながらいただけるのでありがたいもの。

先付

氷入りのボールにお料理が飾られています。

枝豆冷製スープ

枝豆で作られた冷たいスープ、とてもなめらかな口当たり、ビシソワーズです。

前菜

涼の彩り旬菜各種盛り込み

前菜は竹のお盆に2人分盛られて運ばれてきました。

つるむらさきと法蓮草のお浸し 勾玉豆腐 南京栂ノ尾煮
鰻小袖寿し 天子南蛮漬け 丸十レモン煮 夏茗荷甘酢漬け 万願寺煮浸し
トマト蜜煮

この後、スタッフさんがそれぞれの盆に盛り付けてくださいました。お料理の種類が多いと楽しくなります。

つるっとしたのど越しのつるむらさき、濃厚なカシューナッツ豆腐、さっぱりレモンのさつまいもなど、丁寧に味付けされたお料理はいずれも美味しいのですが、驚くのはほおずきの中に入っているトマトの蜜煮。ほおずきの実に見立てたトマトはほんのりとした甘みでトマトの旨みを味わえるものでした。スタッフさんから「ほおずきの中にもお料理がありますので」とご案内があるのですが、意外性のあるお料理で楽しませてもらいました。

碗盛り

清汁仕立て

冬瓜 鯛焼き霜 蓴菜 人参 青柚子

魚の出汁がしっかり利いている美味しいお椀もの、鯛の旨みが冬瓜に染みています。

造り

旬魚三種盛り あしらい

あおりいか、たい、さくらますのお造り。新鮮さが伝わる身がしっかりしたものでした。

焼物

笹の葉の上に乗せられた焼き鮎が運ばれてきました。鮎をお客さんにお披露目した後、目の前に小さな七輪を用意し、仕上げの焼き上げをしてから供されました。

鮎塩焼き たで酢

きれいに串うちして焼き上げられた鮎は、躍動感あふれる姿、蓼酢が添えられています。

山梨の笛吹川で収穫された鮎とのこと、少し苦みのあるワタと身をいただくと、夏が来たのを感じます。唐揚げではないので、頭や骨まではいただきませんでしたが、スタッフさん曰く「お好きな方は、頭からしっぽまで召し上がられます」とのこと。香ばしい香りを味わうと、本当は骨までいただきたかったと思いました。

焚合

茄子旨煮

夏野菜、茄子の素揚げにべっ甲あんをかけたお料理、椎茸、おくらととにも生姜風味で味わいました。

止肴

土佐酢和え

この時期の定番のお料理、糸瓜、トマト、茗荷、ラディッシュの甘酢和え。糸瓜のシャキシャキ感がここちよいもの。

止碗、飯、香の物

最後にご飯とお椀が供されました。

鮎ご飯 赤出汁みそ仕立て 糠漬け

鮎の柔らかい身と脂の風味がよい炊き込みご飯、赤出汁のみそ汁ともにいただきました。少々物足りないくらいが美味しく終えることにつながると分かっていてもお代わりしたくなるほどの美味しさ、自宅でも鮎の炊き込みご飯が美味しくできればよいのにといつも思います。

水物

最後のデザートも氷入りのボールに入って冷たいまま供されました。

玉蜀黍プリン ラズベリー 無花果ゼリー寄せ 胡麻クリームソース

最後の水物はいつも2品あり、ひとつはプリンが定番。献立には玉蜀黍とあるのですが、白いプリン。いただいてみるととうもろこしの香りと甘みがあるのですが、黄色くないのが不思議。

もう一品はいちじく。胡麻クリームが濃厚でいちじくによく合います。2種類のデザートがあるとうれしいもの、最後まで美味しくいただきました。

最後に

食事を終えると抹茶を点ててくださいました。

添えられているのは花豆の甘納豆。大粒の甘納豆は中がしっとり、皮がカリッとしたもの。抹茶と苦みと甘納豆の甘味で双方が引き立つ組み合わせでした。


「燈々庵」のスタッフは、どの方も丁寧で、心温まるおもてなしが感じられる接客、この日もゆったりとしたひとときを過ごせました。

季節ごとに変わる料理とともに、四季折々の庭の景色を楽しみながら、心温まる時間を過ごせるお店、記念日などにまた利用したいと思っています。

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