ユナイテッド航空マイレージプラスのルール変更～2020年より上級会員資格の判定は搭乗距離から支払金額に変わるのは改悪か

ユナイテッド航空のフリークエントフライヤーズプログラム「マイレージプラス」のルール改定の案内を読んで驚かれた方も多いと思います。かつてない大きなルール改定、日本在住者には今後の利用を考えさせられる内容でした。

詳細は、ユナイテッド航空のホームページに掲載されています。当初は英語版しかありませんでしたが、主な内容が記載された日本語ページも追加されました。

プレミア資格取得条件

2020年からは、プレミア資格の取得条件が大きく変わります。

ホームページの説明を読み進むと、これまでは飛行距離と回数で判定するのが基本でしたが、予約クラスや利用航空会社により換算率が異なるなど計算が複雑、これをシンプルにするのが今回の改定の目的とのこと。（本当？と何度も読み返してしまいました）

図表を見ると、シンプルには見えるのですが・・・整理すると、

2019年まで

プレミア資格対象マイル（PQM）または、プレミア資格対象区間（PQS）での判定
（アメリカ在住者には、これに加えて、プレミア資格対象ドル（PQD）の判定あり）

2020年以降

プレミア資格対象フライト（PQF）とプレミア資格対象ポイント（PQP）の組み合わせで判定

プレミア資格対象フライト（PQF）
飛行区間数に基づいて算出するもの、いわゆる搭乗回数です。4区間はユナイテッドまたはユナイテッド・エクスプレスの運航であることが必要です。

プレミア資格対象ポイント（PQP）
フライトの基本運賃など支払金額で算出するもの。1US$＝1ポイントで換算します。

従来は飛行距離により判定したものが、支払金額による判定に変わるのが大きな変更点です。

プレミア取得基準の計算方法

フライト数、支払金額ともに、ユナイテッド航空だけでなく、スターアライアンス航空各社のフライトでも積算されます。

よく読むと、航空券代金だけでなく、サーチャージや有料アップグレードでの支払いも対象なる他、発券航空会社が「いずれでも可」とあり、ユナイテッド航空以外で発券した航空券（「016」以外で始まるもの）でも、積算の対象となるとのこと、この点は改善です。

スターアライアンス各社のフライトのPQP加算方法も説明がありました。特典マイルの1/5または1/6で計算されるとのこと、ANAは特典マイルの1/5で計算されます。

プレミアステータス区分と要件

ステータスの区分けは従来と変更なく、一般メンバーからスタートして、シルバー → ゴールド → プラチナ → 1Kの5段階に区分けされています。

ここで気になったのは1Kになるための条件。従来は、10万マイル搭乗すればよかったのですが、2020年からは、
54 PQF ＆ 18,000 PQP　　または　　24,000 PQP
に変更されています。24,000PQPといえば、年間260万円以上ユナイテッド航空に支払うことが必要ということ、相当ハードルが上がりました。

なお、ライフタイムマイルの計算方法に変更はなく、従来のステータスが維持されます。（これは、ミリオンマイラーの妻にとって一安心でした）

マイレージプログラムルールの変更をうけて

2020年からの新ルールを読み、従来よりも上級資格を取得するのが相当厳しくなる改定であることがわかりました。パートナー航空会社を利用した抜け道がないかなど、これまでの発券ルートや条件で試算してみたものの、簡単にPQPが積算される方法は見つけられませんでした。

マイレージプログラムの魅力にとりつかれた30年近く前は、とにかく「たくさん搭乗すること」が重要、ヨーロッパや中東にアメリカ経由で出かけるなどしていましたが、今回の改定で、「どれだけユナイテッド航空に貢献したか（＝お金をつぎ込んだのか）」へと大きく見直され、旅行スタイルを変えざるを得なくなります。

ユナイテッド航空の優良顧客の定義が「どれだけユナイテッド航空に貢献したか（＝お金をつぎ込んだのか）」に変わり、「真のお金持ち」だけを対象としたいという会社の姿勢が明確化されたものと思います。

ここ数年の搭乗をもとに新ルールを当てはめてみると、「Premier Gold」の維持がやっと、「Premier 1K」の達成は無理という結果。出張で米国線を繰り返し利用する方ならともかく、プライベートで旅行するだけでは、24,000PQPの達成は、なかなか難しい金額、取得はあきらめざるを得ないと考えています。

ユナイテッド航空に年間260万円以上支払いをして得られる「Premier 1K」のステータス、果たしてそこまでの価値があるものなのか、今一度考える時期に来たのかと思います。当面は夫婦で来年の作戦を考えるつもりです。